【もしアドラーが上司だったら】書籍レビュー

Review

こんにちは!
みなさんは、アルフレッド・アドラーについて、また、アドラー心理学について、どのくらい知っていますか?

心理学について書かれた本は、少し小難しくて、とっつきにくい感じがします。
子育てに役立つと言われている『 アドラー心理学 』には興味があるけれど、なかなか理解できていませんでした。

そんな中、小倉広さんが書かれた『もしアドラーが上司だったら』に出会って、私は初めてアドラー心理学に親しみを持つことができたのです。

この本は、アドラー心理学のというものを物語の中に織り交ぜて解説してくれています。
アドラー心理学に心酔している「ドラさん」という上司の導きによって、アラサーで会社の営業成績が伸び悩んでいる「リョウ」がアドラー心理学を学ぶことによって成長していく、サクセスストーリーです。

アドラー心理学は、子育てを中心とした対人関係に関する心理学ですが、その教えは、私たちの多くが関わる、企業組織における対人関係にも大きなヒントを与えてくれます。

この【もしアドラーが上司だったら】は、『勇気』と『共同体感覚』の2つの軸で構成されています。

アドラー心理学『勇気』

嘘のない本物の勇気づけとは

「ぼくは、上司ではなく君たちの支援者だ。だから、命令はしたくない。そのかわり君たちを出来るだけ勇気づけたい。」
ドラさんの転勤初日のあいさつです。素敵なあいさつですね。

リョウの目からウロコが100枚落ちたこと

人は現状に満足すると歩みを止めてしまうのか?
いいえ、現状に満足しているときは、もっとやれる、もっと行けると思うんです。
自分には能力がある、自分には価値がある、そう思えたとき、人は『勇気』が満たされるのです。
そして、ほっておいても、もっともっとと更に上を目指すので、歩みを止めたりしないんです。

それではみなさんは、自分の現状に満足していますか?
もしかして、出来ていないところにばかり目がいって「自分ってダメだな」なんて落ち込んだりしていませんか?
人の行動の95%は出来ている行動なのだそうです。
たとえば、「朝起きる」「歯を磨く」「会社に行く」などです。
たしかに、一日中出来ていることだらけなのに、それは当たり前だと無視されて、ほんのわずかの出来ていないことにばかり注目して、自分にダメ出しをしてしまう。
これは、『勇気』を挫くことになります。
やってられないですよね。
自分で自分のやる気をそいでいるのです。
このことに気づいたリョウは「目からウロコが100枚落ちた」と言っています。

自分の気持ちを偽ってはいけない

ものごとをマイナス面ではなく、プラス面で見るということは『勇気』を得るためにも、とても大切な行いですが、ネガティブな感情を押し殺してはいけないと、ドラさんは言います。
満員電車は不快ではないなどと偽ってはいけません。
きちんとありのままに見て、自分に正直であることはとても重要なことなのですね。

ネガティブな感情はただ見る。「ああ、またやっちゃってるなぁ」と、ただ見るのです。

そうして、『 自己概念 』と『 自己体験 』を一致させておかなければなりません。
これをカウンセリングの世界では『 自己一致 』と言うそうです。
この『 自己一致 』は一般的な心の健康のためにもとても大事なことだと、ドラさんは言っています。

機能価値と存在価値

機能価値と存在価値については、ドラさんがリョウに、とても熱く語っていました。
営業成績が悪かったリョウが、すっかり落ち込んでいて、同期で営業成績トップのツヨシよりも自分は劣っていると言ったからです。

機能価値と存在価値をごちゃまぜにしてはいけない。
機能価値なんかで君の存在価値を傷つけてはいけない。

ドラさんの素敵な言葉を2つ紹介します。

「 君のお母さんがこの場にいたとしたらどうだ!ツヨシくんに比べて君の価値が劣っていると言うだろうか? 君を劣った人間だというだろうか?」byドラさん

「 君は君でいい。君は今のままで素晴らしい。売れようが売れまいが欠点があろうが関係ない。君の存在価値は何一つそんなくだらないことで傷つけてはいけない。僕は君が大好きだよ。」byドラさん

【Audible (オーディブル) 】で朗読されていた多田啓太さんが、とても気持ちを込められていたので、感動しました。

アドラー心理学『共同体感覚』

ほかの誰かを喜ばせる

「私は自分に価値があると思える時にだけ、勇気を持つことが出来る。そして、私に価値があると思えるのは、私の行動が周囲の人々にとって役に立っていると思える時だけである」byアドラー

「ほかの誰かを喜ばせる」ということは、「ほかの誰かを勇気づける」ということです。
自分がほかの誰かを勇気づけると、おそらく相手は自分には能力があり、価値があると思い、表情がぱっと輝く。
それを見て、自分も相手の役に立っていると実感できるからぱっと輝く。
そう、他の誰かを勇気づけると、だれより自分が勇気づけられます。
自分で自分を勇気づけるよりはるかに勇気づけられるのです。
実践しない手はないですね。

勇気は循環します。相手を勇気づけるプラスの循環を回しましょう。

課題の分離

人の目ばかりを気にしている人は自分の事しか考えていない人である。byアドラー

アドラー心理学では「それは誰の課題か」を大切にします。
「人が自分の事をどう思っているか」は、誰でも気になりますよね。
でも、それは自分の課題ではなくて、他人の課題です。
「他人の課題を背負うから苦しくなる。出来ないことをやろうとするから、苦しいんだ。」と、ドラさんは言っています。

リーダーシップ逆説の10か条 ケント・M・キース
何か良いことをすれば、隠された利己的な動機があるはずだと、人に責められるだろう。
それでもなお良いことをしなさい。
人が本当に助けを必要としていても、実際に助けの手を差し伸べると攻撃されるかもしれない。
それでもなお、人を助けなさい。
世界のために最善を尽くしても、その見返りにひどい仕打ちを受けるかもしれない。
それでもなお、世界のために最善を尽くしなさい。

勇気づけられる言葉ですね。

返報性の法則

会議で、リョウが言った意見に、ツヨシが真っ向から反対意見をぶつけてきます。
リョウは自分が批判されたと感じ、言い返そうとしますが、そこへ、ユウが入ってきて、ツヨシの意見に共感します。
ツヨシユウは話が弾み、理解しあいようになり、最後に、ユウツヨシに「僕の意見を言ってもいいかなぁ」と切り出します。
ツヨシは、いままで話を聞いてくれたユウ意見をよろこんで聞こうとします
ところが、実は、ユウリョウの意見と同じだったのです。
リョウユウは同じ意見だったのに、何が違っていたのでしょうか?

人と人との間には、常に『返報性』が働きます。
相手から優しくされたら、ご恩返しという『ポジティブな返報性』が働き、
相手から攻撃されたら、復讐という『ネガティブな返報性』が働きます。
どちらの返報性を選ぶかは、本人次第ということになります。
もちろん、ご恩返しの方を選びたいですよね。
そのためには、まずは相手を受け入れるところから始めなければなりません。
この話のリョウのように、反対意見を突き付けられた時のユウの態度はとても参考になりました。

会社は信頼では動かない

目先の共同体よりも、もっと大きな共同体を大切にするというアドラーの教えから、リョウは取引先の大きな受注を断ることになります。
そのため、会社に大きな損失を与えてしまいます。
ドラさんは社会の利益を優先したリョウを誇りに思うと言ってくれましたが、ドラさんリョウに降格をいいわたします。

どういうこと?

と、戸惑っているリョウに、人としてではなく、会社としてドラさんがすべきことを説明します。

会社は信頼では動かないということです。
会社は条件付きの『信用』で動くけれど、人としては無条件に『信頼』している。
こんなふうに、きちんと頭の中が整理されていれば、たとえ『信用』を失っても、『信頼』関係まで損ねることはないのかもしれません。
頭の中が整理されていない状態では、心がついていけなくて、リョウのように悩んで、誤解してしまいますもんね。

部下を勇気づける

リョウは、課長である自分のすることは、率先して作業することではなく、部下を見守り感謝を伝え勇気づけることに徹することだと教えられます。
ようするに、「任せる」ということです。
上司が部下に「任せる」ということは、なかなか難しいものです。
自分でやった方が早いし、自分でやった方が上手くできるのですから。
しかし、「任せる」ということは『共同体感覚』の実践そのものであり、『勇気』づけの実践そのものだと、リョウは気づきます。
「任せる」ためには、部下を「自分を受け入れてくれる味方だ」と信じ、自分が「チームの事を心から思い、リーダーとして貢献している」と、自分を信頼していなければいけません。
根拠なく相手を信じ、自分を信じるということです。
あえて部下が活躍する余地を残し、課長が部下の仕事を奪わないようにし、活躍した部下を勇気づけます。
「任せる」ということだけを考えても、深いですね~

最後にリョウは、こんな言葉で締めくくっています。
「人は誰でも変わることが出来る。自分を勇気づけ、次に他人を勇気づける。そして、共同体感覚を持ち、行動する。そうすれば、誰だって幸せになることが出来る。アドラーが言うところの有益な人に生まれ変わることが出来るのだ。」

『もしアドラーが上司だったら』 著者 小倉広

私は、通勤時間や寝る前に【Audible (オーディブル) 】で、聞きいていました。
このサクセスストーリーのエピソードがとてもコミカルで楽しいものだったので、気に入った章は何度も何度も繰り返し聞いていました。おかけで、アドラーの教えを、頭に叩き込むことができました。

【Audible (オーディブル) 】は、2022/5/11まで、『 2カ月無料キャンペーン中 』です。
ぜひ、この機会にご利用ください。

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